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それでも恋するドM娘

第7章 ショートヘア

「こんなもんしかねーけど」

寺居がアイスコーヒーを持ってキッチンから戻る。

「あ、ありがとう寺居君。あのあそこにある卒--」
「早速つけてみようか?」

寺居は嬉しそうにヘアピンを取り出し、自ら千紗の髪につける。

「こうやって……耳を出す感じでつけたら似合うぞ」

寺居の顔が目の前に近づき、千紗は凍ったように硬直し、沸騰しそうなほどに体が熱くなった。

「よし、出来た。やっぱりよく似合う。可愛いぞ、千紗」

寺居は少し離れて満足げに髪飾りをつけた千紗を見つめる。

「なんだか恥ずかしい」

じっと真剣な表情で見詰められ、照れて頬を赤らめるが、視線は寺居から外さなかった。

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