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それでも恋するドM娘

第8章 代用品

時間を忘れ、千紗はずっと泣いていた。

気づけば辺りは随分と暗くなっており、千紗はノロノロと立ち上がった。

「落っこちないようにね」

「えっ!? きゃっ!!」

不意に声をかけられ、それに驚いた千紗は思わず体勢を崩して本当に落ちそうになる。

「おっとっとっ!! 大丈夫?」

声の主は素早く近付き、千紗を抱き抱えた。

「驚かせちゃったかな、ごめん」

千紗を抱き抱えた人物はゆっくりと千紗を立たせて笑った。

見覚えのないその人物に千紗は戸惑った。

その人物は名乗るより先にスケッチブックを開いて千紗に見せる。

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