それでも恋するドM娘
第8章 代用品
「えっ……? わた、し!?」
スケッチブックに描かれていたデッサン画はテトラポットの上で泣いている千紗の絵であった。
「悪いなぁとは思ったんだけど悲しみに暮れる姿と海の背景があまりにもよかったから描いちゃったんだよ」
悪びれる様子なく語るその姿は独特の雰囲気を醸し出していた。
「その制服、うちの学校だね。僕は2年の富士見岳人(ふじみがくと)。見ての通り美術部だよ」
富士見と名乗るその男子は神経質そうな長い髪をさらっとかきあげて微かに笑う。
目許はぱっちりとした二重で、高い鼻とよくマッチしていた。
スケッチブックに描かれていたデッサン画はテトラポットの上で泣いている千紗の絵であった。
「悪いなぁとは思ったんだけど悲しみに暮れる姿と海の背景があまりにもよかったから描いちゃったんだよ」
悪びれる様子なく語るその姿は独特の雰囲気を醸し出していた。
「その制服、うちの学校だね。僕は2年の富士見岳人(ふじみがくと)。見ての通り美術部だよ」
富士見と名乗るその男子は神経質そうな長い髪をさらっとかきあげて微かに笑う。
目許はぱっちりとした二重で、高い鼻とよくマッチしていた。