それでも恋するドM娘
第8章 代用品
「さあもう服着て。夏だからっていってもさすがに今の佐倉さんは脱ぎすぎだから」
「えっ……その、富士見先輩……私と、その……しないんですか?」
「うん。今日はしないよ」
「……どうして?」
「どうしてって……僕は君を振った彼氏の代用品にはなりたくないからだよ?」
代用品。
その言葉に千紗はドキッとする。
寺居は自分を昔の彼女の代用品として接した。
それが辛くて寺居から逃げ出した。
しかし逃げ出した自分も寂しさを紛らわせる代用品として富士見を利用しようとしていたのだといまさらながら気付く。
「……先輩はなんだか、ずるいです……なんでも見抜いているかのような態度……嫌いです……」
「なにそれ。謂れのない中傷だよ! それに何にも見抜いてないし」
富士見はへらへらと笑う。
「えっ……その、富士見先輩……私と、その……しないんですか?」
「うん。今日はしないよ」
「……どうして?」
「どうしてって……僕は君を振った彼氏の代用品にはなりたくないからだよ?」
代用品。
その言葉に千紗はドキッとする。
寺居は自分を昔の彼女の代用品として接した。
それが辛くて寺居から逃げ出した。
しかし逃げ出した自分も寂しさを紛らわせる代用品として富士見を利用しようとしていたのだといまさらながら気付く。
「……先輩はなんだか、ずるいです……なんでも見抜いているかのような態度……嫌いです……」
「なにそれ。謂れのない中傷だよ! それに何にも見抜いてないし」
富士見はへらへらと笑う。