それでも恋するドM娘
第9章 対峙
「僕はね、寺居と同じ中学だったんだ」
「えっ……!?」
「高校になってあいつが独り暮らしを始めたから今は家が遠いけどさ」
初耳であった。
寺居の卒業アルバムを見たときも寺居しか探していなかったし、朝霧が同じ中学とはまるで知らなかったから気付くこともなかった。
「だから大体は予想がついたよ。髪を短くした佐倉さんと、寺居がどうなったのかってね」
千紗の方に振り返ることもなく朝霧は先を歩きながら喋る。
寺居の家に近づくたび、千紗は鼓動が早くなった。
嫌だ。
行きたくない。
千紗は次第に足が重くなる。
「えっ……!?」
「高校になってあいつが独り暮らしを始めたから今は家が遠いけどさ」
初耳であった。
寺居の卒業アルバムを見たときも寺居しか探していなかったし、朝霧が同じ中学とはまるで知らなかったから気付くこともなかった。
「だから大体は予想がついたよ。髪を短くした佐倉さんと、寺居がどうなったのかってね」
千紗の方に振り返ることもなく朝霧は先を歩きながら喋る。
寺居の家に近づくたび、千紗は鼓動が早くなった。
嫌だ。
行きたくない。
千紗は次第に足が重くなる。