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それでも恋するドM娘

第9章 対峙

「悪かったな、佐倉……髪を切ったお前を見たとき、佳菜子が生き返ったかのように思った……
お前は佳菜子じゃない……俺の勝手なエゴでお前を傷つけちまったな……ごめん……」

「寺居君……ううん、ありがとう。私も楽しかった。寺居君の心のなかも知らず、一方的に別れて、私の方こそごめんなさい……」

千紗は瞳に貯まった涙を拭い、無理に微笑んだ。


朝霧もそれ以上ふたりに言葉はかけることはなかった。


とにかく学校には来て欲しい。

二人は寺居に何度もそう伝え、家をあとにした。

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