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それでも恋するドM娘

第10章 安らぎの代償

朝霧は自分の身体を弄ぶのは好きなようだが、それ以上のものを感じる時もある。

つまりは精神的に自分のことを愛してくれているのではないかという期待。

しかし、と千紗は自らを抑制する。

朝霧の嗜虐はまさにそこにあるのではないかという不安。

気持ちまで千紗にある振りをして本気で好きになると心まで壊されてしまうのではないか?

信頼して心から愛した途端にこれまでよりも激しい肉体と精神をいたぶる責めをして、最終的にはひどい捨てられ方をするのではないか?

千紗は朝霧にそんな疑惑を感じずにはいられなかった。

そもそも普通の恋人同士のような会話を朝霧がするとも思えない。

アイドルグループの誰が好きかとかの会話や、カラオケで盛り上がるとか、そういったことが全く想像もつかなかった。


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