テキストサイズ

それでも恋するドM娘

第11章 夏の音

千紗と朝霧は電車に乗り海水浴場のある駅まで移動する。


鞄を受け取ってから千紗はずっと胸をドキドキとさせていたが、これが恋のときめきなのか性的興奮によるものなのか、そもそもその両者に明確な違いなどあるのかということをずっと考えていた。

「でも意外だね。朝霧君が海水浴を誘うなんて……」

「そう? 沢山人はいるし裸に近い格好するし佐倉さんを陵辱するにはもってこいの場所だと思ったんだけど……」

「……あっそう」

少しでも普通の恋人同士のような会話を期待した自分がバカだったと大きくため息をつく。

海水浴客もちらほらと見受けられる車内で、どこか浮かれた空気が漂っている。

千紗は恐らくこんな不純な目的で海に行くのは自分達だけだろうと悲しくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ