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「佐倉さんの心は征服しない。体を征服したいんだ」

朝霧の言葉がまた千紗の脳内で再現される。


彼が普通に恋愛をすることに興味がないということは身をもってよくわかった。

しかしそれでも、異常な愛しかたでも、彼を求めてしまっていた。

告白をすると言う、謂わば心まで征服された証を告げたらどうなるのだろう？

体だけでなく心も蹂躙されてしまうのではないだろうか？

身体に性的な苛めをされるのは構わない。
いや、むしる望んでいる。


しかし心まで苛められるのは怖かった。

苛められるのはまだいい。


「そういう感情って重い」

そう言われて捨てられる可能性も朝霧が相手なら充分に考えられた。

彼を想えば想うほどその恐怖が千紗の中で肥大化していく。