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それでも恋するドM娘

第12章 罪悪感の根底

「描けたんですか?」

「何が?」

「何がって……今私描いてたじゃないですか」

「ああ、あれは描く振り。真面目な話するの照れ臭いから描く振りだけしてたんだよ」

「なんですか、それ? 」

馬鹿馬鹿しさに千紗は思わずプッと吹き出す。

「先輩って本当に変わってます」

「そう言ってもらえて嬉しいよ」

「ありがとうございます。相談にのってもらえて。少し楽になりました」

「どういたしまして」

富士見はにっこりと笑いグラスに残った残りのアイスコーヒーを一気にずずっと飲み干した。

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