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それでも恋するドM娘

第12章 罪悪感の根底

喫茶店を出て富士見は駅とは逆の方向へと歩き出す。

千紗はなにも言わず富士見の後を追った。

「せんぱ、い……」

千紗は不安げに富士見の顔を見上げる。

「どうしたの、佐倉さん。僕も誘惑しようって考え?」

「そんなこと……言わないで下さい……」

「冗談だよ」

富士見はふわっと笑う。

千紗は富士見の頭をがしっと掴み、無理矢理に口づけた。

「んぁ……」

富士見は千紗の下唇を吸いながら舌でぺろぺろと舐める。

「傷つけあうのがわかっていても、愛し合ったり身体を求め合ったりすることはやめられない。不思議なもんだよね」

「ごめんなさい……先輩……私っ……突然キスなんかしちゃって……」

「謝っても許さないよ? 覚悟は出来てるの?」


千紗は小さくこくんと頷いた。

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