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それでも恋するドM娘

第12章 罪悪感の根底

「いや、やめておこう」


「ふぇ……!?」


甘い空気をいきなり遮断され、千紗は驚いて顔を上げる。


「今日は千紗を抱かない。そう決めた」

「なんでですか!? 私……欲しいです……」

「俺だって千紗が欲しい。本当は一晩中、千紗を可愛がってあげたい。
でもやめておくよ」

「そんな……なんで……」


「だって好きになっちゃうだろ、千紗のこと。本気で好きに」


「えっ……」

「千紗のこと、本気で好きになったら恐いから。どんどん千紗が欲しくなり、独り占めしたくなる。
そうなっちゃえば僕も千紗も苦しくなっちゃうだろ?」

「先輩……」

「だから今日はここまで……そのかわりしばらく抱き合ってよう?」

富士見は寂しげに笑って千紗の体を抱きしめる。

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