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それでも恋するドM娘

第14章 柔らかな刺

ただでさえ処分を受ける身なのに教師に相手を隠すという行為をする朝霧の心証はかなり悪いはずだ。



それでも陽菜の名前を言わない彼に潔さを感じた。


とはいえこのまま朝霧にばかり負担をかけさせたくない。


見つかっていないだけで自分もとても人には言えないようなことをしてきた。


私だって同罪といえる。



朝霧の相手は自分だったと名乗り出よう。


決意しかけてそれが無意味だと気付く。



密告したのは姫野だった。


私が名乗り出たところで姫野は本当の相手を先生に告げるだけだ。


そうなれば私がなぜ名乗り出たという話になり、朝霧君の余罪まで露見させるだけだ。



何とかして朝霧君を助けてやりたい。

でも一体自分に何が出来るというのだろうか……


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