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それでも恋するドM娘

第14章 柔らかな刺

朝霧を待つ間、姫野は千紗のことを思い出していた。


自分が朝霧を密告したと知ったときの驚いた顔。


朝霧を守ろうと自分に言い寄ってきたときの不安げな顔。


朝霧に責められて絶頂に達してしまったときのはしたない顔。



その一つ一つが抜けない棘のように胸に刺さったままだ。



千紗は朝霧に夢中になり何もかもを見失っている。

もてあそばれることさえ、自らが望んでるかのように……

正常な判断など失い、ただひたすらに朝霧を求める千紗の姿は幼馴染みとしとも見るに耐えかねるものであった。

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