テキストサイズ

恋のかたち

第4章 約束・・再新

車内ではお互いに無言で、優愛はずっと過ぎ去る街灯を見つめて過ごした

男の運転する車は駐車場に入り、エンジンを切るとすぐに降り、優愛の助手席のドアを開けた

こういうところだけ紳士的な対応に大きな矛盾を感じながらも優愛も車から降りた

「手は取らないんですね」
優愛は嫌みを込めて男に言った
男は鼻を鳴らして少し睨みながら
「可愛げねぇな」
と返し、すぐ手を差し出した
驚いたのは優愛の方で、完全に面食らったが、言い出した手前、そっと手をおき、遅いエスコートをしてもらいながら駐車場をでた

マンションのエントランスまで来ると、優愛の方から手を離した

一見どこにでもありそうな普通のマンション

でもエレベーターが両サイドに一棟づつある

郵便受けが並ぶ方のエレベーターが入って右側にあり、ごくふつうに見える

左側のエレベーターには操作ボタンがなく、カードリーダーのような機器がはめ込まれている

ストーリーメニュー

TOPTOPへ