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恋のかたち

第5章 新生活

「ほら、お前も食え」
そう言ってスプーンに盛られたリゾットをキッチンに立つ優愛へと伸ばした

少し前屈みで、優愛も自然と食べさせてもらう

あんまりに優しい笑顔の秋豊に、不本意にもときめいた

「ん。美味しいです」
スプーンは離れていくが、優愛に近づく秋豊、そのまま軽くキスをされた

・・・やっぱりときめきを返してもらいたくなる優愛だった

「ご褒美だ」
ニヤっとまたいつもの余裕な笑みで言うと、残りのリゾットを平らげていった

「ごっそさん」
スプーンをお皿の上に置いた

「ああ、そうだった」
お皿を流しに置いて優愛は、秋豊を見た

「明後日から夏休みだろ?お前休みほぼ無いからな」
さらっと言われ、キョトンとする

休みがない?
「え?」
「明後日からの二週間は、俺の秘書補佐として働け、お前の通ってる学校は、既に必要項目を専科にしてるし、卒業後即戦力になるならそれに越したことはねぇ。
それから最後の二週間は、会社の株上げに、ボランティア活動に参加してもらう。何国か回ってもらうから、覚悟しとけよ」

・・
長々と夏休みを踏み倒したスケジュールを言われ、既に卒倒しそうだった
「あと、明日は俺が車で学校に送迎してやる。感謝しろよ」

言いたいことを言って、用意したコーヒーを啜る

ポカーンと立ち尽くす優愛

「おいっ、返事」
「あっ・はっ?はいっ」
もう頷くしかない

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