テキストサイズ

恋のかたち

第8章 パーティー

穏やかに笑っている遥は、それでもほんの一瞬鋭い獣が獲物を見るような瞳を見せた

「やだなぁ、兄さん・・優愛は、会場で間違ってシャンパンを飲んでしまって、介抱してあげてたんだよ。ねえ?優愛」
身に覚えのない事実に、振り返り遥を見た

にこやかな笑みを見せ、有無を言わさない得体の知れない何かを感じて、こくんと肯定してしまう

「それは、連れが迷惑かけたな。じゃあ後は俺が責任もつから、お前は帰れよ」
「駄目だよ。僕が最後まで介抱したいんだ。兄さん忙しいでしょ?」
「こいつの世話くらい仕事しながらでも出来る」
キッパリ言い放つと、少し考えた遥も穏やかな笑みのまま
「じゃぁ・・残念だけど兄さんに任せるよ。優愛またね。」
そう言うと、そのまま出入り口へ出て行った

残された2人に沈黙が訪れる
優愛をそっと床に下ろした
「おい」
「・・はい」
「飲んだのか?」
「・・ごめんなさい」
「・・遥に何かされなかったか?」
内心心臓が大きく跳ねたがあくまで平静を装った
一生隠して生きていこうと強く誓った

首を振って、秋豊の目を見て何も。と答えた

貼り付くような下着の感触を感じながら、秋豊の後ろを歩いた

今日は部屋を取ってあったようで、秋豊と一緒にエレベーターで上へ上がり、スイートルームへ入った

2人では持て余しすぎるほど広い部屋
バスルームも広く、海が一望できる丸い形の浴槽だった

秋豊に、気持ち悪いからシャワーを浴びると伝え先にバスルームにこもった

愛液のベッタリ染み付いたTバックを脱ぎ、アメニティの一つの黒いビニール袋に入れてきつく縛って蓋付きのゴミ箱へ捨てた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ