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恋友!

第3章 女友達(笑)(笑)

それから閉店までは何も問題なく終わった。ちなみに誠が帰ってきたのは閉店から1時間後だった。なにしてたんだよ。ちょ、汗臭いから俺のベッドにダイブすんのやめてくれませんか。
そして雨宮はと言うと…閉店後、すぐ帰る訳でもなく伊織と話していた。うーん、女同士ってやっぱ何か花があるよなぁ。見ていて飽きない。
すると、誠が雨宮のところへ行き、
「よう、新入りさんかい」
と話しかけていた。
「は、はいっ、ああああま、あまま、あまみゃめいって言います!」
……おい。
俺のときと随分態度が違うじゃねぇか。噛みまくってるしどんだけテンパってんだよ。
「そっか、雨宮っていうのか、よろしくな」
と言い、誠は雨宮に握手を求めた。
言っておくが誠はやけに女子にモテる。アイツのあの振る舞いがいいのだろうが、俺からしたらあの差し出されている手に釘を打ち込んでやりたいくらいムカつく。あれで素だからな。モテ男破滅しろ。
「は、はい、よろしくお願いします…」
雨宮は顔を赤くしながら俯いた。

その後、誠は我が家の風呂に入っていた。
俺が全員分の作業着を洗濯しようと脱衣場にある洗濯機へ行こうとしたところ脱衣場から聞き覚えのある声が聞こえた。その声に耳を傾けると…
「えへへ…松井君の使いたてのタオル…」
変態だ!
お巡りさん、ここに変態がいます!
あまりの驚愕に叫びそうになった。
そう、そこにはスポーツタオルを持っている雨宮がいたのだ。どうやら誠の使った後のものらしい。
逃げようとしたところミスして洗濯物を落としてしまった。
それに気付いたのか雨宮がこちらの様子に気付いた。そして
「み…見たのね…?」
ひいっ、怖い!顔がめっちゃ歪んでますよ!うわぁこっち来るな!
「な…なんの話だ…?俺は何も見てなんかいない………多分」
「見たんでしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
彼女の鋭い拳が俺の腹にヒットした。ナイスボディブロー。あ、ヤバい何か出そう。
「げほっ、がはっ……」
そして次は俺の胸ぐらを掴んで言った。
「今のこと、誰にも言わないで」
「な…何であんなことしてたんだ?」
「うっ、そ、それは…」
雨宮は赤くなり俯いて黙ってしまった。
そして俺は悟った。
「…誠のことが好きなのか?」
すると彼女は赤い顔をもっと赤くした。
当たりか。

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