
恋について
第4章 悠
それから、悠の嫉妬は強くなっていった。
《俺のめーるはすぐ返して??》
心配になるからだって。
《電話は一時間おきにして》
心配だから。
《何してるか写メおくって》
心配。
《今すぐこい》
心配。
そのうち、語尾変わってきて
いつの間にか命令になっていた。
命令は増えていった。
男子と遊ぶことは禁止
男子と話すことは禁止
男子と二人きりになるの禁止
じきに、命令の対象は男子だけでなく
友達にも向いた。
休日遊ぶの禁止
余計なこと話すの禁止
外出るの禁止
そのうち
学校も禁止になるんぢゃないかって思った。
もう限界だった。
あたしは家でただひたすら、悠からの連絡をまって。
テレビを見てご飯食べて。
外に出てるのは一日、6時間程度。
休日になると、悠から連絡がない限り
一日中部屋にいる、携帯をもって。
24時間、携帯のディスプレイを見つめて
待ってる。
そのうち、ご飯が食べれなくなった。
そのうち、歩けなくなった。
気づいたら、生理が来なくなってた。
一回もヤったことなかったから、妊娠ではないって思ってた。
栄養失調。
あと、2週間気づかなければ子供が生めない体になっていたらしい。
親友にだけ、いろいろ話してたから
その親友はあたしのこと
すごく心配してくれてて
《おかしいよ》
っていい続けてくれてた。
その時は全然信じられなくて、
あたしたちの愛の形。
ただそう信じてた。
でも病院にいって、運動してご飯食べて元気になって、と先生に言われて
目が覚めた。
なんのために悠の言うこと聞いていたんだろう。
すきだから??
ちょっと違うよね、
好きならもっと信じてくれるよね??
悠はあたしのこと好きなのかな??
そのときはじめて
あたしたちの愛の形
こんなものでいいのかと
疑った。
