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恋について

第4章 悠


ぁたしは、その日
決められた時間より2時間早く
電話した。

『もっしー??』
甲高い女の声。
あたしの頭が一瞬真っ白になる。

だれ??
あたし、間違えてかけちゃった??

「あのー…」
『あっ、これ悠の携帯だよ。呼ぼっか』
ゆーうー、

遠くに向かって飛ぶ声。

んだよー、

悠の声。

ブツッ
反射的に切ってしまった。
それから、徐々に理解が進んでいく。

あたしといない間、知らない女の人といた。
あたしには、家にいろっていってたのに、悠は遊んでた。
あたしの知らない人と。
あたしには、遊ぶな話すな言ってたのに。
悠は遊んでた。

悠はあたしを裏切った―

たったひとつの、答えにたどり着いたら、

携帯がなった。
《悠》電話のようだ。

そのまま放置していた。

何度もなる携帯。

10回目になったとき。
「…っゃめてっ!!」
ブチップープープー
切った。
その勢いで電源も切ってしまった。


「…ねえ…ゆっ…ゆうー…なんで、…」
涙が溢れていた。
止まらなくなっていた。


そのまま、朝を迎えた。
その日は休んだ。
次の日も、その次の日も。

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