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姉とのこと

第2章 小学生の時は・・・

恵美は小学5年になる頃に
初めてスポーツブラを付けた。

クラスの中ではすでに
半分くらいの女子が付けている。
中にはスポーツブラではなく
カワイイブラをしている娘もいた。

しかし、この時期は
ブラを付けている女子は
男子にからかわれているので,
なんとなく正一の前でも
少し恥ずかしいと思っていた。

今まで隠す事のなかった胸を
隠すことで羞恥心の様な物が
芽生えてきたのだろう。

あるいは五年生になって
直ぐに初潮を迎えた事で
自分の中に女性を
意識したのかもしれない。


それまでの恵美は
どちらかといえば勝気な性格で、
男子ともよく遊びクラス内でも
男子と女子を繋ぐ
パイプの様な存在だった。

男子にも女子にも
リーダーの様な子はいたが,
遠足や運動会などの学校行事で
クラスをまとめていたのは
恵美だった。

そんな恵美がブラをつけた事で
女の子に目覚めたらしく、
今まであまり気にしていなかった
オシャレにもファッションにも
興味を示すようになったのだ。
それまでは母親の用意する服を
そのまま着たり,スカートよりは
ジーンズやキュロットを
好んでいたくらいだ。

恵美は特にかわいいという
印象がある娘ではなかった。
元々ショートヘアということと
整った顔立ちと少しとがった顎で,
ボイッシュな所があったからだ。

その恵美が髪を伸ばすと言い出し,
母親は歓喜の声を上げて喜んだ。

夏休みに入りいつも遊んでいる
女子は気づかなかったようだが
夏休みが終わったクラスでは
ちょっとした事件になっていた。

夏休みの間に恵美の髪は
セミロングくらいまで伸び
それまでボサボサだった髪型も
キレイに真ん中から分けていた。
さらに女の子らしくワンピースを
着ていったものだから
クラス中の男子がざわめき立った。

整った顔立ちと少しとがった顎が
長い髪と相まって,可愛いとか
美少女とはいわないまでも
「女の子」になっていたのだ。
夏休み前のボイッシュとは
真逆の印象も良い方向に
作用したのだろう。
とは言うものの勝ち気な性格が
すぐに変わるわけもなく
この時は少し男子の好感度が
違う方向に向いたのと,
男子が少し声を掛けづらく
なったくらいだったが,
恵美はこれを期に
女の子らしくなっていった。

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