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姉とのこと

第3章 小学生の時に僕は・・・

小学生高学年になり
二人の体は大きくなっていたが、
まだ姉の方が背は高かった。

恵美は身長が伸びたせいで
華奢なイメージになっていたが
四年生から始めたバドミントンに
夢中になっていて
同じくサッカーを始めた正一と
一緒に早朝から走る様になったので
見た目以上に体力はついていた。

この頃になると恵美の体型は
母親が困惑するほど成長していて
ウエストもくびれだし着る服も
子供用よりは大人用の物が
多くなってきていた。

どんどん女性らしくなっていく
姉は正一にとって自慢だった。
その姉と秘密を共有しているのは
子供ながらに高揚感を
正一に与えていた。
半面,小学生高学年になっても
姉弟や兄妹が一緒に風呂に入る事は
友達の家でもあったが,
一緒に寝ている友人はいなかったので
不自然さも覚え初めていた。

ましてや裸で寝ているのは
周りから観ても不自然なことだと
正一でもわかってきていたが,
小さい頃から続けている事だし
やめる理由にはならなかった。
なによりも幼少の頃から感じていた
「姉を独り占めしている」感覚が
それを許さなかった。


普段の恵美は幼少の頃のような
理不尽な事は言わなくなっていたが,
むしろ筋道立てた事を言い
正一にはどちらかと言うと
厳しい態度を取っていた。
普段の生活での態度,言葉遣い,
後片付けや宿題など・・・
正一にしてみれば迷惑な話だ。

しかし,逆らってみても
どうにもならないし
幼少期からの理不尽な仕打ちの
トラウマのような物があり,
正直逆らえない・・・
逆らう気にもならないのだ。
逆らおうにも姉の言っていることが
正しすぎてどうにもならない。
おかげで正一は成績もまあまあ。
礼儀正しい子供とみられていた。

それでも,ケンカなどはするし
些細なことでお互いにムッとして
話もしないこともあった。
しかし,就寝時になると
ベッドに入る前にどちらともなく
謝ったり話し始めたりと
感情をリセットすることができたし
なによりも一緒に寝ている時の姉は
正一にやさしかったのだ。

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