涙が出るほど好きだよ
第6章 甘酸っぱい
休み時間、階段を降りていると転んでしまった。
「きゃあ!」
「大丈夫?」
私は後ろから誰かに支えられていた。
「ごっごめんなさい!
あ、ありがとうございます」
私は恥ずかしさで顔が熱い。
「なんで敬語?」
「え?」
支えられたまま振り返ると
助けてくれたのは隣のクラスの橋口くんだった。
前に喋りかけられたことがある。
「橋口くんだったんだ。
ありがとう助けてくれて(笑)」
「俺、橋口 拓海だから。
拓海って呼んで苺。」
「え…たくみ?」
「困った時は俺を呼んで~!
すぐ行くからぁ!」
拓海は格好つけるように階段を1段飛びして走って行った。
拓海、私のこと好きなのかな
間抜けだとは言え、私は鈍感ではない。
気持ち悪い…
私はこうゆうひとが苦手だ。