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ファースト・ラブ

第2章 第1章



単に、もともと直とは家がお向かいさんだからという理由もあるけど

一番の理由は、直と帰っていれば仕事帰りの翔さんとバッタリ会ったときに自然と一緒にいれるからだ。

南にいきなりそのことを訊かれたから
あたしの顔が赤くなっているのが自分でもわかる。

「…単に直とは家がお向かいさんだからだよ。夜道1人じゃ危ないから。」

さすがに一番の理由は正直に言えないから
あたしはそう言った。
まぁ、ウソではないしね。

「………そうかよ。」

南はあたしの答えを聞くと、不機嫌そうにさっさと先に準備室へ向かおうとする。
南なんか怒ってる ??

「ちょっ、ちょっと待ってよ !! 南 !!!! 」

「…………。」

あたしは先に行ってしまった南を必死で追いかけるが、南は待ってはくれない。
そうとう怒らせちゃったかな ??

「待ってってば !!! 南っ !!!!!」

あたしはやっとのことで南に追いついて南の袖を引っ張った。
「ねぇ、南 !! 南ってばー…」
「うるせーんだよ !!!!!」

その瞬間、南があたしの手を邪険に振り払いあたしに向かって怒鳴った。
え… ?? 南 ????
あたしはビックリしたのと怖いという感情が合わさって、気づいたら目に涙を浮かべていた。

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