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Red Phoenix

第1章 少年時代

「いたっ!」

「逃げないでよ、どうせ追いついちゃうよ?」

その言葉に足が止まってしまう。心の中では焦りと諦めがひしめき合っていた。

「俺には樹、追いつけないよ。
ていうか、サッカーは行くのやめるの?」

まずは油断させる事が大事だと思い、勇気を振り絞って話しかけた。
九年間一緒に過ごしていた幼なじみに話しかけたにしてはおどおどした声が喉からでる。
もう、自分を追いかけているコイツが樹だという意識が無い。

「は?
サッカー?何の話?
嗣刀って本当うざいよなーーー、運動が出来るくらいで調子のるなよ。
まあ、今は俺の方が早いみたいだけど」

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