テキストサイズ

Red Phoenix

第1章 少年時代

樹は俺の無二親友だ、いつも優しくて気配りの出来る樹を俺は大好きっだった。
なのに樹は俺の事をそう思ってたんだろうか、
それに俺たちの夢のサッカーの話を覚えてない、覚えてないはずなんて・・・
違う!!
体以外樹じゃないんだ。樹は何かに乗っ取られてるんだ。
そう思うことで心の中を整理した。
体が樹でも心が違う。
俺は樹じゃなくなった樹の為に何をすればいいのか。
必死にその事だけを考える。
殺す。
殺す?
そうだ、樹じゃない樹を殺せば樹は戻ってくるはずだ。
「殺そう、」
俺の言葉に樹のドス黒い赤色の目がカッっと見開かれる。
すると、いきなり樹は、自分の拳を後に引いて、思い切り俺の腹に拳をねじりこんだ。


「ぐはっ」

腹部に激痛がはしる。足の糸が切れた操り人形みたいに足が意に反して崩れ落ちた。
同時に内蔵が潰れた音がする。
ちょうど水風船が割れたみたいに。
やっぱり、小学生の力じゃ無い。
手を引くと今度は手のひらをナイフのようにして、俺の首筋にあててきた。
鋭く尖った爪が肌に当たって血が流れだした。
いくら爪でもそのまま包丁のように引けば頸動脈くらい切れるだろう。

(ああ、もう、ダメだ。樹に殺されちゃう)

何が何だか分からなくなった。
ただ次の衝撃に備えて目を覆う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ