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ファーストキス

第1章 ファーストキス

僕は化け物。
ただの化け物じゃない。

人に憧れる化け物。


異性と手を繋ぎ、色んな街へ出かけたり。
買い物したり、ゲームしたり、遊園地に行ったり……

そんなありきたりな世界にあこがれる化け物。

叶ったことはない。
叶うことは無い。


少し切ない気持ち。


君には、彼氏が居る。
素敵な君だから、仕方がないこと。

でも、僕には関係なかった。
僕は、化け物。

人にはなれないし人には慣れない。


僕は、小さく項垂れる。
小さくなってうずくまる。


誰かが、僕の頭を突く。


君だった。


心の中ではなく、現実の世界。


「行こう」


彼女は、そう言って僕の手を引っ張った。


憧れていた現実。
望んでいた世界。


僕は、顔を真っ赤にして歩いた。

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