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電話ボックス

第2章 二

その日も僕は帰りが遅くなり急ぎ足で、電話ボックスのある道を歩いていた。

空は夕方から雲で覆われいつ雨が降りだしてもおかしくない状態。

傘をもっていない僕は自宅までの道のりを濡れて帰らなくてはいけなくなる。

が、無情にも雨は帰宅する前に降ってきた。

しかも俗に言うバケツをひっくり返したような雨だ。

たまらず僕は雨宿りできそうな場所を探す。

と、れいの電話ボックスが目に入った。

迷わずそこに駆け寄る。
扉を開き、中に飛び込もうとした瞬間、背筋に悪寒が走った。

入ってはいけない!

本能が中に入ることを拒む。

何故?

ここには何がある?

中を見る。

何もない。

あるものといえば、何処にでもある電話帳とタウンページ。

僕は明かりに照らされたボックスを見つめる。

何が僕の足を止めるのだろう。

わからない。

僕は扉を掴んだまま動けないでいた。


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