
甘く溶かして。
第4章 ホワイトクリスマスーココロの余熱ー
―――ちゅ・・・っ
「・・・れ?」
キスされた。
口じゃなくて、ほっぺちゅー。
涙の伝った1部分に。
かあああぁ・・・!
急に顔が熱くなる。
恥ずかしい・・・っ
不意打ち。
あたし、口にされるとか思ってた…。
・・・どんだけ驕ってんのっ!
そのままの格好であたしは俯き
薄っすらと紅くなった頬、
潤んだ瞳で・・・上目で吉野を見る。
「おぅっ!」
すると吉野は変な声をあげて
両手で顔を隠しながら
路上にしゃがみ込んだ。
「ちょっちょと・・・」
「あのさっ!」
あたしの声を掻き消すように被せた。
その大きな声にびくっと肩を震わせる。
「その破壊力・・・
解ってて出してんの?」
何を言ってるのか分からない。
吉野は両手の人差し指と中指の間から
逆に上目で見てきた。
「可愛すぎだ、アホ…」
ぼそっとだがハッキリと。
矛盾してるけどそんな感じに。
あたしはとんでもない言葉を
聞いてしまった。
