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「んなの知らねえよ」
俺がモテるからムカつくとかよく駿平はほざいてるが、そんなのは俺にしたらどうでもいい。むしろ迷惑だ。


雨も嫌いだが、他人と付き合うのもできれば避けたい。人と接するなんて面倒なだけだ。学校いく自体、俺にとったら厄介だ。それでも学校にいってるのは、お袋が俺たちのために働いてるからだ。

俺たち神崎家は母子家庭だ。親父は俺が八歳の時に病気で死んだ。大腸ガンだった。
それからお袋は幼い俺たち姉弟を養うため、必死に働いた。そんなお袋の姿を見ているからこそ、俺は今もこうして高校に通っている。


「ほんとさ、女に不自由しないだろうに、人間嫌いなんだからもったいないよな」
まだどうでもいいことを口にしている駿平をこれ以上何もいう気にならない俺は、ただ横目で睨むだけに留めた。