
夢幻の蜃気楼
第4章 “蒼き魔王”
頭上から聞こえてきた声に僕を含め、一斉に声のなる方へと顔を向ける。
それは頭上から聞こえてきた。
石段の上にポツリとある外灯の下に一人の少年が、僕たちを見下ろしていた。
その人影を見て、僕は思わず感嘆の息を洩らす。
何て綺麗な人なんだろう……。
総てのパーツが整った秀麗なその人。赤に近い茶髪の前髪に見え隠れした瞳の色があまりにも美しく、更に彼の美しさが際立っていた。
美しいサファイア・アイズ。
吸い込まれそうな瞳が僕たちを見下ろしていた。
僕を含め、誰もが彼へと注がれる。
「おい、何してんだ?」
少年へと視線を固定させたまま、赤毛頭の男がボソリと仲間に発した。
「あんな上玉、滅多にいねえ。早く捕まえてこい」
舌舐めずりする男の発言に、もう一人の男も喉をゴクリと動いた。それを目敏く見てしまった僕は、彼らの企みに胸が鷲掴みされたような衝撃が走った。
あの少年をも拉致しようとしている。
僕だけでなく、あの少年まで危険が及んでいることに、僕はカタカタと震えが止まらなくなってくる。
そんなのいけない。
呼び止めたために、あの少年まで危険に晒されるなんて、そんなことはあってはならない。これ以上犠牲者を出すわけにはいかない。
それは頭上から聞こえてきた。
石段の上にポツリとある外灯の下に一人の少年が、僕たちを見下ろしていた。
その人影を見て、僕は思わず感嘆の息を洩らす。
何て綺麗な人なんだろう……。
総てのパーツが整った秀麗なその人。赤に近い茶髪の前髪に見え隠れした瞳の色があまりにも美しく、更に彼の美しさが際立っていた。
美しいサファイア・アイズ。
吸い込まれそうな瞳が僕たちを見下ろしていた。
僕を含め、誰もが彼へと注がれる。
「おい、何してんだ?」
少年へと視線を固定させたまま、赤毛頭の男がボソリと仲間に発した。
「あんな上玉、滅多にいねえ。早く捕まえてこい」
舌舐めずりする男の発言に、もう一人の男も喉をゴクリと動いた。それを目敏く見てしまった僕は、彼らの企みに胸が鷲掴みされたような衝撃が走った。
あの少年をも拉致しようとしている。
僕だけでなく、あの少年まで危険が及んでいることに、僕はカタカタと震えが止まらなくなってくる。
そんなのいけない。
呼び止めたために、あの少年まで危険に晒されるなんて、そんなことはあってはならない。これ以上犠牲者を出すわけにはいかない。
