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青春メモリー

第8章 好きか嫌いか

「ったく。痛ぇな。」




鼻をさすりながらあたしをみる安藤。





「あははは。ごめん、ごめん!」





あたしは笑って誤魔化した。





「・・・・・・・・・・・・」





安藤は黙ってそっぽを向いてしまっ




た。





まだ怒っているのだろうか?





小さい男だなぁ。




・・・・・・ん?





安藤・・・なんだか顔が赤いような・・・・・






気のせい、かな?




安藤は相変わらず黙っている。





・・・・・・そういえば、一ノ瀬君は邦枝さ






んを見つけることが出来たんだろう





か。





でも、何で捜してたんだろう。






あたしの質問にも答えない程必死に捜






すなんて・・・。






邦枝さんは、一ノ瀬君にとってそんな






に大事な人なんだろうか。





一ノ瀬君はあたしよりも邦枝さん





を・・・・・・





──加藤さん。邦枝紗織さんを見ませ



んでしたか?──






・・・一ノ瀬君のあの必死そうな顔。







何だろう。胸が痛い。






痛くて、苦しい。





一ノ瀬君・・・・・・






あたしの視界は段々ぼやけていった。

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