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好き好き好き好き…

第5章 ピアノが好きな2人


ピアノはただただ少女を受け入れていった。


少年も同じように受け入れた。



ピアノは応えるように。


少年はなだめるように。




それから次の日の夕方。

彼女の心の叫びは終わった。


あの時と同じように
鍵盤には赤い液体がたくさん付いていた。


少女の指はボロボロだった。


少女はハンカチを出して鍵盤を拭いた。


「八つ当たりしてごめんなさい…」

そう言いながら。



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