*記憶のカケラ*
第4章 *デート*
それからは海を目一杯楽しんだ。
「亜梨紗ーアイスかけてあの岩まで水泳勝負しよーぜ!」
「女の子には優しくでしょーハンデ10秒!!」
こんないつものやりとり。
「えーハンデ10秒はきつい、せめて5秒だろっ!」
「いやいやおれないからねっハンデ10秒ぉー!!」
何て言いあいながら楽しく過ごした。
結局勝負はハンデをつけても手を伸ばした分だけ遼には負けてしまった。
昔はハンデなくても私が勝ってたのになぁ。
なんて少し寂しく、少し心強く感じていた。
「遼はアイスバニラチョコミックス?」
遼は必ずアイスはこの組み合わせ。
「おぅっ!」
勝ったからかなぁ?
それともアイス?
すごく嬉しそう。そんな遼をみて私も笑ってしまった。