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　「そんなっ！」


私が全部話す前に、彼はわたしを押し倒した。



「きゃっ・・！」



じっと顔を覗き込まれる。


(どうしよ・・)


「橋本さんに、電話しといたら？」


「えっ？？」



「言っとくけど、今日は帰さないよ。」


ーードキッ・・



(流される・・このままじゃ。)




「男の家に上がり込んどいて、ただで帰れると思ってた？」




ぐらりーーー・・

感情が揺らぐ・・・


その艶っぽい瞳で見つめられると、すべてどうでも良いような気がしてしまう。



そしてそのまま抱き上げられて、ベッドへ連れて行かれる。



(このままじゃ・・本当に、私・・・)




「俺も知りたい。教えてよ、榊さんのこと。」


そう言って羽織っていた、パーカーを脱いだ。


ーーぐらり。


また、自分が揺らぐ。



(あなたのことが知りたい・・・)



私はゆっくりと口を開いた。

「咲枝に電話、するから・・・」