
砂糖漬けな関係。
第4章 暗闇の足音
「何よ!何なのもうっ!」
勢いよく、ベッドにかばんを投げつける。
悲鳴混じりの、自分の声が虚しく部屋に響く。
話すつもりはないって、どういうことなの・・・。
咲枝も秋斗も、意味不明。
なに考えてるのか、全然わからない。
そんな時・・・
ーーーヴーッヴーッ
携帯のバイブ音が、鳴り響く。
(もしかしてまた咲枝?)
咄嗟に、さっきの笑い声を思い出して悪寒がした。
ーーゾクッ
だがディスプレイに映し出された、文字は咲枝ではなく『秋斗』の文字。
「もしもし・・・」
さっきあんなことを、言ってしまったからなんだか気まずさを、感じてしまう。
「さっきはあんなこと言ってごめん。」
「うん・・・私も、ごめん。」
さっきまでの、激しい感情は彼の声を聞いた瞬間に流されてしまった。
「お前、バイトやめた方がいい。店長には言っておくから・・・」
「えっ!?なんで??」
唐突過ぎる彼の話に、ついていけなかった。
「ほんとに、橋本とは関わらないでくれ・・・お願いだ。」
「・・・わかったよ。」
あまりにも熱心な彼の言葉に、私は納得せざる得なかった。
「ほんとにごめん・・・じゃあ。」
そう言って電話は切られた。
