どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第2章 化け猫+悪魔=笠井歩
体育館に走って行くと、既にクラスメートは整列していて遅れて来た僕は浮いた。
「それじゃ、いつものチームに別れてウォーミングアップと試合、各自でするように。」
体育教官は、そう言って教官室に入って行った。
その後、柔軟をしようとしたら歩くんが寄ってきて
「穂浪くん、一緒に柔軟しよ?」
いつも学校で見る歩くんだ。
「ぁ…良いよ。」
少し怖いけど、ここで断ったらきっと皆の反感をかってしまう。
柔軟は、異様に体が密着して少しドキドキした。
「ぃッ…たぃ」
歩くん、乱暴だ…
痛い…
「あ、ごめ~ん。でも、痛い方が気持ちいでしょ?」
耳元で、裏の顔の歩くんがそう囁いた。
僕は、ゾクリとして変な気持ちになりそうだった。
「そろそろ試合しよう。」
委員長の言葉に、何時ものチームごとで試合をすることになった。
歩くんと僕は一緒のチームだ。
「パスするから、ちゃんととってね。」
歩くんはそう言って、いつもの試合の位置に行った。
ピッピー…
「試合開始」
僕は、試合に全然使えないから参加することはほとんどない。
いつも、見てるかボーッとしてるかだからな。
そんな風にボーッとしていたら、頭に大きな痛みが。
「いづっ」
「ごめん!パスするって言ったじゃん。痛い?保健室行こうか。」
どうやら歩くんのパスしたボールが頭に当たったようだった。
でも、保健室ほどじゃないから大丈夫だ。
「ううん、大丈」
「行くよね?」
歩くんに肩を痛みを感じるくらい強く握られる。
「っん…行く、から手離して。」
その痛みに若干涙を浮かべながら保健室に行くことになった。