どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第2章 化け猫+悪魔=笠井歩
「声出さないって約束出来る?」
歩くんが、僕を宥めるように頭を撫でた。
頭を撫でたその手さえ怖くて、震えながら首を縦に振る。
「よし、良い子。」
刃物が抜き取られ目隠しをとると、僕はゆっくり口を閉じ目を開ける。
ついでに、眼鏡を付けられた。
「じゃあ、今から僕が質問したことに首を振って答えて。分かった?」
僕は首を縦に振る。
「今まで、昨日ヤった以外に男と身を重ねたことはある?」
首を横に振る。
本当に、僕は経験が無かった。
まず、女の子とも経験がない。
「そ。じゃあ、今まで女とシたことはある?」
また、首を横に振る。
「誰かと付き合った事は?キスは?」
勢いよく首を横に振りながら話してしまった。
「っ僕、恋愛したことないから!」
僕の言葉を聞いて、歩くんの目が変わった気がした。
僕はそれに怯えた…
「ぁ…ごめ…なさ」
「良いんだよ、ただの確認だから。」
「確…認…?」
歩くんは、嘘っぽい笑顔を貼り付けてそう言った。
「でも、地味な奴に恋愛なんて出来ないって分かったから良いよ。やっぱり、穂浪くんは僕が教えて上げる。」
「へっ?んぅッ…ぁッ」
歩くんは、僕の顎を掴んでキスをする。
歩くんの舌が、僕の咥内に入ってくる。
「んッ…歩くッ」
歩くんの唇が僕から離れると、銀の糸が引いた。
「穂浪くん、コレ舐めて」
取り出したのは、歩くんの自身。
既に、少し反応しているそれを歩くんは僕の口に押し当てる。
「ぃやっ!!」
「さっさとくわえろ。」
「んぐッ!!ひ…ぃ」
いきなり押し込まれた歩くんの自身は、僕の喉に突き刺さる。
途端に込み上げる吐き気と、圧迫感、そして自然に涙が出る。