どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第1章 カワイイ娘
やっとの思いで図書室の入り口を見つけた。
扉が開いてるものだと思ってそのまま直進したら、どうやら閉まってたらしい扉にぶつかり、また後ろに尻餅をつくはめになる。
「ぁー…」
落胆の声しか出て来ない。
「ちっさいくせにあんないっぱい持つからだろー」
「まじドジ。」
「つかあんなに沢山の本一人で持とうとするのが間違いじゃね?」
「パシりとか?」
…さっきから外野が五月蝿いな。
…どーせチビだもん。
…どーせパシりだし?
…存在感無いし、地味眼鏡でコレといった特徴無いけど?
「…頑張ってるから…良いじゃん…」
本当に、ほんっとうにボソッと呟いた。
入り口で転けたから、沢山の人が詰まってしまって、遂には先生にトロイと怒られる始末。
…拾うの、手伝ってくれても良いじゃないか…
「…はい、すいませんでした。」
図書委員に、迷惑だ云々と言われて謝ることしか出来なかった。
…嗚呼…
しかし、図書室の帰りは毎回身軽でついついスキップしてしまう。
といっても、全然リズム感の無いスキップ。
地味眼鏡とスキップは大分ミスマッチのようで、通りすがりの通行人にさえ怪訝そうな、それこそ頭が可哀相な子をみるよな目線だ。
「うにゃっ!」
皆様は、スキップの着地に失敗する者を見たことあるだろうか。
僕は今、スキップの着地に失敗して思いっきり足を捻らせてしまった。
よって、ビタン!!と地面に叩きつけられた僕の体…嗚呼、痛い。
「またやってるよー」
「1日何回転べば気が済むんだか。」
…僕だって、一回も転びたくないよ。
…だけど、ドジってしまうんだ。
耐え難い羞恥に、体がモンモンと暑くなるのを感じた。
そして、恥ずかしさのあまりにダッシュで廊下を駆け抜けた。
「おいお前ーまた転けるぞー」
そんな忠告が聞こえた気がしたが、無視する。