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どうして?僕が攻めじゃ不満なの?

第4章 思い


「…て言うことで、これ資料室に持って来てくれ。」


「分かりました。」

…最悪だ。


遂に先生にもパシられるようになってしまうとは…


「うあっ!!」


いつもの如く、僕は派手に転けた。

しかし、今日は「アホ」だの「ドジ」だの言われなくて済む。

放課後も、大分陽が落ちている。


「な…よ!!」


僕は、頼まれていた資料を床に投げつけた。


…なぜ、これだけの事で泣かなきゃいけない?


「も…分かんないよぉっふっぅ」


どうしよう…涙が…止まらないよ…


僕は、涙で濡れた手で資料を掴むと、亡霊のようにユラユラ歩く。


「あ…眼鏡が…」


ずれ落ちた眼鏡を、指で押し上げる。


ガラガラ…


「失礼します。」


資料室の中に入ったら、歩くんが他の人と一緒に居た。


しかも、歩くんが押し倒してるように見える。


そう…僕は飽きたから、他の子を…


「…何か用?」


歩くんは、冷たく言った。

僕は…理解しているのに、涙が出る。


僕の涙を見て、嘲笑って居るように見える。


「んッ…」


「ッ!!」


…よくもまあぬけぬけと人の前でイチャイチャして…


歩くんは、下にいる奴にキスをした。


その後、見せつけるように僕に笑いかける。


サイッテーだ…


「お前消えろ。」


歩くんは、自分の下に居る人にそう言った。


下にいる人は、そそくさと走って消えた。


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