どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第6章 白雪姫と、メイドさん
「安心してください。」
と言って、また歩くんは立ち上がり話し出す。
「配役も決まってるんです。まず、鏡役が輝で、意地悪な魔女役は隼人で、白雪姫は穂浪で、白馬の王子様が僕で、小人が出席番号の七番までの人で、森の動物または裏方は他の人で、森の動物のバンビ役はアイラが良いと思います。」
…
役ごとに指を差しながら言ってるけど、悪役なのって…あの二人…仕返し?か何かのつもりなのかな。
バンビ役に指名されていたアイラくんは、「あ゛?」とまた眉を寄せてた。
皆、配役を淡々と言われて呆然としてる。
「えっ…と、じゃあ歩くんの意見で良い人手挙げて。」
委員長の言葉に、僕とアイラくん以外は皆手を挙げた。
何故あげるのかよく分からないが、きっと歩くん以上に詳しく積み立てられたアイデアを持ってる人が居なかったのだろう。
「じ…じゃあ…うん。決まり。次、メイド喫茶って話が出たけど…」
委員長はまた、歩くんを見る、歩くんは当然のようにまた立ち上がり、それはもう選挙の演説のようにペラペラと話す。
「メイド喫茶のコンセプトは、皆が安らぎを求められる場所。で、皆が皆メイド服を着るのではなく、厨房担当と、接客…つまりメイド服を着る担当で分ける。厨房に立つ人は、やっぱり料理が出来る人でないと駄目だから、それで分ける。ちなみに、僕は料理は出来る、何でも。それで、穂浪は何も出来ないだからどう足掻こうと、穂浪は必然的にメイド服を着る羽目になるのだ。以上です。」
ストンと座る歩くん。
また、妙な空気が漂う…。
最後の所、絶対僕に言ったよね…だって名指しだもんね…。
ケホッ…
誰かの咳で、空気は動き出す。
「んと、じゃあメイド喫茶で良いかな?」
委員長は、また苦笑いで皆に問い掛ける。
皆、静かに頷いた。
「じゃあ…最後に…展示っ…はい、アイラくんどうした?」
「俺は、展示、穂浪の裸体をかたどった銅像で良いと思いまーす」
アイラくんも、歩くんみたいな…変なこと言う…
「あのっ!!僕、絶対嫌です!!僕、嫌だ!!」
顔を赤らめながら必死に言う僕に、皆が欲情したなんて知らない。
「そうだね…それは流石に…」
委員長の言葉に、一安心。