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どうして?僕が攻めじゃ不満なの?

第6章 白雪姫と、メイドさん


「劇の配役、詳しく決めたから、張り紙でここに貼っとくから見といてね。」


朝、委員長の爽やかな笑顔が眩しい。

どうやら、文化祭の決定事項がどの学級よりも早くて、先生に誉められたらしい…。


張り紙…見たくないなー…


「やったー!!俺、森の木Aだ!!」


「あ、俺森の木B!!ラッキー、お前一緒だな!!」


『森の木』…


森の木…なんていう配役があるのか?


森の木役になった二人を見て、僕は苦笑いしていた。そしたら、歩くんが委員長なみの爽やかな笑顔で張り紙の方からかけてくる。


嫌な予感しかしませんよ。


「穂浪、白雪姫だったよ。んで、僕王子様。」


…やっぱり


まさかまさかでやっぱり…


「…何で俺が…白馬の前脚役なんだ…?」


アイラくんは、また眉を寄せてそう言ってた。


「なーんだ、アイラバンビ役じゃなかったんだ、本当に残念。」


歩くんは、ワザとアイラくんに聞こえるように言った。


すると、


「あーよかったー白馬の前脚でー、王子様を蹴り飛ばせるのが特権だなー」


って、棒読みで返ってきた。


僕は、そのやりとりに笑顔になってしまう。


「笑ってる場合じゃないよ、穂浪?白雪姫は、主役だから台詞も多いはず。手伝うからね。」


「う…うん。」


キラッキラの表の顔の歩くんが、僕に言った。

頷くことしか出来ないけど、僕としては、そのキラッキラの顔は怖い。


「あ、後、メイド喫茶の担当も決めといたから、メイド服着る奴はサイズ合わせるために今日の放課後教室残っといてねー。」


「張り紙とか無いの?」


「あー、うん。先生が読み上げるみたいだよー、まあ面倒くさがりだから僕が読む羽目になるんだろうけど…」


委員長はそう言って、溜め息をはいた。

「劇の練習は、シーンごとで別れてやるから、自分の出るシーンの確認よろしく!!じゃあ、俺先生呼んでくる。」


朝礼の時間なのに、先生はまだ来てない…本当に、良くやってくれてるよ…うちの委員長は。





「穂浪メイド、歩厨房、アイラ厨房、隼人メイド、輝メイド」


こんな感じで、読み上げられた。

クラスの大半は、厨房。

皆そんなに料理出来るんだ。


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