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どうして?僕が攻めじゃ不満なの?

第6章 白雪姫と、メイドさん

「早くしろよー」

「俺、部活あるんだけどー」

何で、メイド服を着る人がこんなにむさ苦しい連中なんだ?
僕みたいに大人しく待てないのかな…


「はい、つぎー」


…何でいるの?


歩くん。


「穂浪、早くこっち来て。」


腕を引かれて色々計られて…


「はい、上着ぬいでー」


「ぇ?」


「今はヤらしい意味じゃないんだからね?」


歩くんが僕の上着を脱がしにかかりながら、耳元でボソッとつぶやく。


「別にそんなんじ」

「じっとしてて」


いつの間にか、僕はトランクスだけになってて、お腹にメジャーを回されて、記録されて、


「ッんぁ…」


今絶対ワザとだ。

不意に掠めた僕の乳首。


「やっぱり白いし、細いし…後は眼鏡をどうすれば…」


僕は、愛用の眼鏡を握り締める。

この眼鏡は、お父さんから貰った眼鏡で…地味だけど、個人的には気に入っちゃってる始末。


「コンタクトは?」

歩くんに顔を覗かれながら聞かれるけど、僕は眼鏡から手を離さなかった。


「僕は、眼鏡が…お似合い。」


「そんなこと無いよ。メイド服が仕上がった時にでも、コンタクト探しに行こうか。」


歩くんに、強引にそんな約束を取り付けられて…。


うーん、メガネで良いんだけど…


周りが駄目なのね…

「分かった。考えてみる。」


「考えてみる、じゃなくてコンタクトにする。」


歩くんは、次の人の採寸を忙しそうにやりながら僕にそう言った。


「コンタクト…似合わないと思うなぁ」

うじうじと、壁をつくじりながら言うと、


「眼鏡のが似合わない。」


そう言われた。


眼鏡…似合ってなかったんだ…(←本人自覚症状なし(笑)


「うん、似合ってなかったんだね…うん。コンタクトで良いよ。」


椎茸が生える程度にしょぼーんとして、また歩くんを待つために採寸をする歩くんを見る。


歩くんは良いよ…あんな素敵なFaceをお持ちなのだものね…
僕なんか…、私服はジャージこれ一本…
僕が、ネガティブ思考になっている間に採寸は終わり、僕は歩くんに手を引かれて来た…


白雪姫の練習場。


「今日は、白雪姫が棺に入るまでだ。」

委員長が言ったら皆、それぞれに散らばる。

チッて舌打ちをしたのは歩くん。

そりゃ早速ラストシーン行くわけ無いよね。

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