
どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第6章 白雪姫と、メイドさん
それからがすごく早い展開だった。
皆、最初はふざけてたけど文化祭が近付くにつれて真面目に練習し始めて、僕も家での練習を欠かさずした。
歩くんとのキスシーンは、本当にキスしなくて良いからって委員長に言われて、歩くんがムスッとしてたことが頭に残ってる。
後、メイド服だけど、今日それぞれに渡されるらしい。
メイド服…ね。
僕なんかが似合うわけ無いよね…
「あ、穂浪、今日コンタクト見に行こうな。」
あー、そうだった…
やっぱり眼鏡は駄目なのねー…
仕方ないか。
「うん、分かった。」
僕は歩くんに笑顔で頷いてみせて自分の席に座る。
歩くんは、最近…というか、アイラくんの暴走の日から、アイラくんやマサトくんと仲良くなったらしく、一緒に居ることが多くなった。
隼人くんと輝くんは、あの一件を誰にも知られていないから平然と、まえ歩くんが居たコミュニティーに居る。
僕は、暇があれば台本を読む。
「助けてくれたのはあなたですか?王子様。」
…恥ずかし…
僕はこの台詞を言いながら、歩くんの胸元に手を置いて、ほっぺにキスするんだ。
…ほっぺにキスは、実際にするらしい。
「皆ー、今日先生風邪で休んでるらしい!!今日の放課後、俺、先生とこ行ってくるから、白雪姫の練習は中止!!この頃毎日頑張ってたから、ゆっくり休んで!!」
委員長のそんな声が聞こえた。
皆、久しぶりにゆっくり出来るから喜んでた。
僕にとっても丁度良かった。
コンタクト買いに行かなきゃいけないから、良かった。
あ…あと、委員長だけど、最近噂で委員長とこのクラスの担任の先生が付き合ってるっていうのがあるのだけど、僕もどうりで委員長の先生に対しての面倒見が良すぎるって思ってたから、やっぱり…生徒と先生の恋って切ないんだろうな…。
委員長…偉い。
その一言しか、委員長にかける言葉はない。
あと…ありがとう…。
