
どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第6章 白雪姫と、メイドさん
「じゃあ、皆、今日はゆっくりしてね!!んじゃ、また明日!!」
委員長はそう言って、放課後の廊下を駆け抜けて行った。
クラスに残った僕達は、メイド服を受け取るメンバー。
メイド服を配布してるのは、歩くん。
「はい、穂浪。今日家で着てみてね。」
「うん。ありがとう。」
歩くんにしては意外な答えだ。
「今からでもメイド姿見たいけど、こういう時は、本番まで待ったほうが良いんだよね。」
何故かウィンクをして僕に言う。
歩くん、僕のメイド姿見たいのかな…
多分…いいや、絶対後悔するよ。
うん。
「穂浪、行こっか。」
メイド服を配り終えた歩くんが、僕の手を取りながら言う。
「うんっ。」
手…握ってます。
手汗危ない…ビチャビチャ…
極度の緊張!!
歩くんとは、何度キスをしても恥ずかしいし慣れないし…手を繋ぐのだって…乙女かって!ってなるくらいだし。
「歩くん、やっぱりコンタクト止めようよ~」
コンタクト売ってるお店で、買って付けてみたけど、やっぱり自分では違和感がある。
鼻が、眼鏡の重さが無いだけで凄く違和感。
「そう?似合ってるよ。可愛いよ?」
ドキッ…
顔近い…
可愛いって何度言われても嬉しいよね?
うん。嬉しい。
顔がみるみるうちに熱くなってるのを意識しながら平然を装う。
だけど、
「穂浪?顔赤いね。どしたの?」
顔を覗いてくる歩くん。
分かってるくせに、こういうことするんだもん。
僕は、…どうやら…Mっ気があるみたいで…その…意地悪されると…えと…嬉しくなっちゃう…んだよね。
って何を言ってるんだろう僕は!!
「穂浪?ジタバタしてないで行くよ?」
「あ、っはい!!」
歩くんの後を追う。
