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どうして?僕が攻めじゃ不満なの?

第7章 形勢逆転!!にはなりませんでした、普通に。

も…いい。

興味本位で人の中を気にしたからいけないんだ。

もう、断ろう。


僕は、頭をぶつけすぎて血が付いた壁をティッシュで拭きながら、一生でこれ以上ない溜め息を吐いた。


おでこ…痛い。


ジンワジンワ…


痛みが、原点から周りに広がるみたいな…そんな感じ。


ティッシュで拭き終わり、立ち上がり、扉を開けて、目の前にいた歩くんに会釈して…て、


「っなにしてんのー!!」


「だって、遅いから。また襲われてんのかなーって思って。」


「あ…うん。だよね、ハハァ」


怖いっ怖いです!!
歩くん怖い!!

何故、僕の籠もったトイレの前に真顔で突っ立ってたんですかー!?場所よく分かりましたねー!


「ここしか個室が開いて無かったからだよ。」


「ん~…なるほど」

歩くんっもしかしてあなた、異星人なのかしら?

僕、喋って無いよね?
心で思ってるんだよね?

まさか某缶コーヒーと某携帯機種のコラボCMのような展開にはなりませんよね、神様。

実は母親が、うねうねと動く何本の足があるとか…ないとか。


「全部口から出てるんだよ間抜け。」


「ぇー?」


口から出てました?

今の全部出てました?


「穂浪っていつもおでこから血が出てるっけ?」


歩くんは僕のおでこを撫でながら言う。

「そんなわけないよ!!」


「分かった分かった。」


頭をヨシヨシされる。

それに照れた僕は、静かに俯いて歩くんの手を受け止めた。

あ、そだ、


「あのね、僕、やっぱりいいや。」


撫でていた歩くんの手が止まる。


「何の話かな?」


「あの、女の「まさか、女を抱くのを止めるってことじゃないよね?」」


わざとらしい笑顔を僕に見せながら、僕の顔を覗き込んで、頭に乗せてある手に力を入れる歩くん。

「いづっ…」


脳みそをまるごと掴まれたみたいな気分になるくらい痛い。

「違うよね?穂浪クン。」


何故今クンなんだー!!


これは…まさか、…脅し?…分かってた話じゃねぇか。

ここで「そうだ」って言ったら、歩くんに何の処罰を受けるか…


僕は、歩くんの可愛くわざとらしく歪んだ顔を、恐怖で歪むのを無理やり笑顔に変えて、微笑みながら、


「っうん。違うよっアハハ…ハハハ」


そう笑えば、歩くんは満足したように手を離した。

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