
ヤクザくんは隣の席。
第1章 不登校児くん。
「上田さん」
「はい。」
「桐谷くん」
「はーい。」
「藤崎くん……は、休みね。
伊藤さん。」
朝のホームルーム。
先生に名前を呼ばれても、返事しないやつがいる。
そりゃ、そうだ。
だって、休んでるんだもん。
いつも。
私の隣の席の、藤崎聖夜。
れっきとした不登校児。
私達が入学した日はいたのに、今はいなくなった。
銀色の髪に、耳には銀色に光ったピアス。
鋭い目つきに、高い鼻。
見た目は怖いが、イケメンと騒がれていた彼。
騒がれた次の日から、いなくなった。
