
ヤクザくんは隣の席。
第2章 路地裏で。
*聖夜Side*
「彩が毎日迎えにきてくれるなら、行ってやってもいいけど?」
「え……?」
驚いて目を大きくする彩。
俺、何言ってんだ?
こいつが迎えにきてくれたら、行くって…ガキみたいじゃねーか。
でも何故か、彩が来てくれたら行けそうな気がした。
まだ会ってから2日しかたっていないのに、こいつなら安心…というか…何かを感じた。
「迎えにって…私が毎朝家に来いって事?」
「あぁ。」
その言葉を聞くと同時に、ひょろひょろと崩れ落ちた彩。
「冗談じゃない…」と小声で言っているのが聞こえた。
まぁ、いきなり毎朝迎えに来い…なんて言われて、はいっ!と喜ぶ奴なんて、よっぽどそいつが良い奴か好きじゃねーと、行かねぇだろうな。
…てことは、彩は俺の事が嫌いなのか?
…そんなこと…別にどうでもいいけど。
