テキストサイズ

ヤクザくんは隣の席。

第2章 路地裏で。


その日は、藤崎が投げ捨てたプリントを拾って帰った。

何度も藤崎にプリントを拾って渡して、を繰り返していたけど、結局受け取らなかった。


明日、奴の机の中に放り込んどこっ。


翌日の放課後、言った通り藤崎の机の中にプリントをいれておいた。

「お、皆岸。お前、プリント渡さなかったのか?」


教室から出ようとしていたハゲ(先生)が、私のやっていることに気づいた。

「え…あの…、いませんでした。誰も!」
全くの嘘です。

「なら、今日も持って行けよ。」

は…?
何言ってんだ、ハゲ。


「コレは、大事な手紙だからな」

「大事な手紙ィ?」

「うん。あいつ、学校休みすぎだから、退学になりそうなんだよ。
その事についての手紙だ。」

退学になるんだ。
まだ、決まってないけど。

…なら仕方ない、行ってやるか。


「…わかりました。」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ