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恋した相手は痴漢です

第4章 好きなんだよ

「優愛って本当に犬みたい」

優愛は涙で濡れたまま信じられないといった顔で、肩を上下させ息を整える遥を瞳に映す

「・・なん・・で・・」
追いかけてきたの?と続かない言葉

「よく逃げ出すね・・首輪とリードでつないだ方がいいのかな?それとも部屋から出られなくしたがいい?」

無邪気とも本気ともとれる言い方の遥に更に優愛は固まっていく

遥を見つめたまま動けない

「ねえ?逃がさないし、僕の大切なものにかわりないんだから・・何が不満なの?」

心底わからないといいたげな顔を優愛に向け、遥も落ち着いた呼吸で優愛を瞳に捉える

質問の意図をかみ砕くのに時間を要した

つまり、ペットとして大切にしていることに何の不満があるのか・・遥はそう聞いているのだと・・・

「・・どして・・ペットなんていうの?・・私・・遥くんのペットの1人としてじゃなきゃ居られないの?遥くんの側には居られないの?」

溢れ流れる涙と共に今言える答を黙っていた遥へぶつける

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